漁師さんたち~鐘崎~

おはようございます!今日は宗像市鐘崎(西日本で有名な漁港)の漁師さんのことを書いていきます。ちなみにわたくしは鐘崎から車で15分のところに住んでいます。職場が鐘崎です。

まず鐘崎というところは福岡県宗像市の漁港です。西日本でも有数の水揚げ高を誇り、また筑前海女の発祥の地として有名です。ここで務める前までは漁師さん=魚を釣る人という漠然としたイメージだったんですが、漁師さんにもいろんな漁種(沖に出る人、近場で釣る人、海に潜る人)があるということです。特にイカ釣り・アジ釣り・ワカメ漁・

ウニ漁・ふぐ漁などが盛んです。30~40年前くらいは魚の取引も今より随分高値で動いており、漁師さんの生活もサラリーマンと比べてだいぶ良かったみたいです。10代で高級車に乗ってたり、繁華街では漁師さんがあふれていたり。しかしバブル崩壊後の日本経済の低迷と共に魚の取引値も下がり、また気候変動などによる漁獲高減少のため将来が見えないということで若手の漁師さんが少なくなっているというのが現状です。

【漁師さんは信心深い】

鐘崎に来てまず驚いたのが、漁師さんの信心深さです。そもそも「漁」そのものが神事であるという考えです。例えば冬場にフグ漁に出る前に豊漁祈願をし、シーズン終わりにはフグ供養をする。必ず初めと終わりにはこういった行事があります。古来より漁に携わってきた方々ですので、何よりも自然というものにたいして畏敬の念があるということです。

【親戚が多い】

とにかく親戚が多い。漁船でも第1~第20〇〇丸等。これは鐘崎だけでなく、ほかの漁師町でも多いと思います。漁師の一家で育って男は家業を継ぐ、または独立する。女はほかの漁師に嫁いでいく。〇〇丸は△△丸と親戚で□□丸とも親戚で…という現象がかなり起こってきます。日本社会がすべて核家族化してるわけではないんですね。特に漁師町ではこういった親戚付き合いが大事になってくるんだと思います。あと、結婚後も鐘崎に住む傾向が多いために、親戚が多いと感じるのかもしれませんね。

【沖でのトイレ事情】

漁師さんと飲む機会もあるので、漁師さんの海の上でのトイレ事情を聴いたことがあったんですが、まあ原始的です。大きな船はもちろんトイレ付なんですが、小さな船(個人船)にかんしてはトイレなんて設備はついていないです。ではどうするのか。小便~船の先端にいって大海原向けて噴水です(笑)。大便~船の先端にいってお尻を大海原に向けて… 皆さんが足を踏み外さないよう祈るばかりです。

【トーエベッサン!!】

昔から漁に出る前に神棚に向かって「トーエベッサン!!」と祈るのですが、わたしは全くその言葉が何語なのか理解できませんでした。が最近判明しました。日本語でした!!なんのことない、呪文でもなく知らない言語でもなく。福岡県在住のかたはよく知ってらっしゃると思いますが恵比須様をお祭りする十日恵比須様が訛って「トーエベッサン」、十日の「トー」と「恵比須様」の「エベッサン」だということです。なるほど。商売の神様にお祈りしてたのか。この件はわたしの心のもやもやをかなりスッキリしてくれました。

【声がとにかく大きい】

海の上でのお仕事、エンジン音にも負けない大きな声で話さないと聞こえません。ですのでもちろん陸にあがっても声は大きい。そして喧嘩してるような口調なのでちょっと近寄りがたい。海の上で働くことはちょっとしたことが命につながるので仕方ないですよね。でも本当はめちゃくちゃ優しいですし、面白いんです。

 

もっといろいろ面白いことがあるんですが、今日はここまでにしておきます。